男女雇用機会均等法の施行(1986年)から35年が経ち、昔に比べると女性の社会進出はかなり進みました。女性の社会進出が当たり前となった現在では、自身のセカンドキャリアに悩む女性も少なくありません。
女性には、自分のキャリアを考える節目となる機会が人生で数回訪れます。
本記事では、
- セカンドキャリアの意味
- 女性がセカンドキャリアを積むタイミング
- セカンドキャリアを考えるうえで大切なポイント
「これからも長く働きたい」「キャリアを築きたい」という女性に役立つ情報をお伝えします。
セカンドキャリアの意味とは
セカンドキャリアとは、人生の節目をきっかけにスキルアップやキャリアチェンジをすることです。
終身雇用が主流だった一昔前と現代においては、セカンドキャリアの意味合いは若干異なります。
以前は「セカンドキャリア=定年退職後の仕事」という認識が一般的でした。
例えば、スポーツ選手が現役引退後に違う仕事を始めることなどを、セカンドキャリアと呼んでいました。
現在のセカンドキャリアは定年退職後に限らず、現役世代のうちから考える側面が強まっています。「人生の変化とともに自分のキャリアをどのように切り開いていくか」といった点に焦点が当てられています。
女性がセカンドキャリアを積むタイミング
女性がセカンドキャリアを考えるタイミングは、主に3度訪れます。
- 30代:出産後
- 40代:子どもの成人後
- 50代:定年退職前
※なお年代は目安となるため、出産年齢や子どもが成人を迎える年齢などは自分のケースに当てはめて考えてみてください。
30代:出産後
出産は女性にとって最も大きなライフイベントのひとつです。
出産を機に産休や育休を取得し、1~2年など長期的に仕事を休むことになります。
子どもをもつと、これまでとは違った人生観や仕事への価値観になる可能性があるでしょう。
長期的な休業を得ることで、今後の働き方を考えるきっかけとなります。
40代:子どもの成人後
子どもの成人後も、セカンドキャリアを積むタイミングとなります。
子どもが成人を迎えて独立することで、子育ては一段落します。
子育てが一段落すると、これまで以上に自分のために使える時間が増えることでしょう。
「資格を取得してさらにスキルアップしたい」「やってみたかった仕事に挑戦したい」といったように、積極的に物事に取り組めるようになります。
50代:定年退職前
50代は65歳の定年退職が現実的に見えてくる年代です。
役職者の場合は企業によって役職定年年齢があるため、50代後半で第一線を退く人もいるでしょう。
定年退職というゴールが見え始めると、これまでのような張り合いが少なくなり、仕事へのモチベーションが下がりやくなります。
そのため、定年退職前の50代でセカンドキャリアを考えると、生き生きとした気持ちを取り戻せます。
セカンドキャリアで大切な2つのポイント
女性のセカンドキャリアを積むタイミングは分かったけど、セカンドキャリアってどう考えたらいいの?
ここでは、セカンドキャリアを考えるうえで大切な2つのポイントをお伝えします。
- 自分ごととして物事をとらえる
- ライフプランを立てる
上記2つのポイントを軸にして、「これからどのようなキャリアを築きたいのか」「どのような人生を送りたいのか」を考えてみましょう。
1.自分ごととして物事をとらえる
ひとつ目のポイントは、物事を自分ごととして捉えることです。
「子どもが、家族が」ではなく「自分がどうしたいか」を考えることがセカンドキャリアにおいて重要です。
家族をもつと自分の行動が家族にも影響するため、自分のことよりも家族を優先しなければならない場面もあるでしょう。
とはいえ、自己犠牲の精神で過ごしていると、年齢をかさねたときに後悔しやすくなります。
セカンドキャリアを考えるなら、まずは自分がどうしたいかを大切にしてみてください。
どのようにセカンドキャリアを考えたらよいかわからな場合は、コーチングを受けてみる選択肢もおすすめです。
2.ライフプランを立てる
続いての大切なポイントは、ライフプランを立てることです。
ライフプランとは、これから起こるであろうライフイベントを踏まえ、人生設計や資産計画を練ることです。
おおよそのライフプランを立てることで、人生の中長期的な目標を考えやすくなります。
ライフプランは、家族全員の年齢やライフイベントなどを含め、表で作成するのがおすすめです。
出典:30代、40代、夫婦で考えるライフプラン(お金の、育て方)
もし「ライフプランを立てたいけど作り方がよく分からない」という場合は、ファイナンシャルプランナー(FP)を活用し、相談しながら作成してみるのも良いでしょう。
また、ファイナンシャルプランナーとお金の勉強をすることもオススメです。こちらの記事も参考にしてみてください。
定年退職後のお金について心配する女性は多い
セカンドキャリアを考える際、一緒に思い浮かぶのが「定年退職後の生活」や「定年退職年齢」についてです。
定年退職後は現役時代のように働くことが難しいため、お金に不安を感じる人も少なくありません。
ここでは定年をもうすぐ迎える50代・定年をすでに迎えた60代の女性が抱えるお金についての本音をまとめました。
女性が定年まで働く理由の過半数が「お金の不安」
電通シニアプロジェクト「定年女子調査」のデータによると、「定年まで働くつもり」と考えている女性は69.0%にのぼります。
さらに同調査で定年まで働く理由を聞いたところ、1~3位までの回答が以下となっています。
- 1位:「将来、お金がないと不安だから(55.9%)」
- 2位:「生計を維持するために働かざるを得ない(52.7%)」
- 3位:「自分自身のお小遣いのため(48.4%)」
これらの結果により、定年まで働く理由の上位を占めるのは、経済的不安や金銭面の理由であることが分かります。
また、定年に対する素直な気持ちが表れているのが以下のデータです。
定年を迎えるにあたり不安を感じている女性は計71.0%、さらに貯蓄が不安の人は計72.5%もいます。
ここまでの内容をまとめると、
- 経済的な理由から定年まで働く予定の女性が多いこと
- 定年を迎えるにあたり貯蓄に不安がある女性が多いこと
がうかがえます。
こうした経済的な不安は早期に準備していくことが必要です。おひとりさまの老後も5,500万円が必要になっているといわれています。
人生100年時代!定年退職後の約30年をどう生きるか
定年退職を65歳で迎えても、そこで人生が終わるわけではありません。日本人女性の平均寿命は87歳(※生命保険文化センター参照)となり、平均寿命が伸び続けている背景を考えると、人生100年時代はすぐそこと言えるでしょう。
定年退職後のお金の不安を解消するには、正しいお金の知識を身につけて個人での資産形成に励むのがおすすめです。お金の勉強をどのようにはじめるかはこちらの記事をお読みください
まとめ
セカンドキャリアは、女性にとっても自分の人生や働き方を考えるうえで非常に重要です。
出産や子どもの成人後、定年退職前など人生の節目がセカンドキャリアを考えるタイミングとなります。
「自分がどうしたいのか」を大切にしながら、ライフプランとともにセカンドキャリアを考えてみましょう。