派遣業界に10数年勤めていた私が思う、派遣から正社員になるために必要なことを紹介します。
本記事は現在派遣の方で、ご自身の立ち位置を変えたいと思う方向けの記事になります。決して、派遣で働かれている方を否定するものでも、立ち位置を変えることを肯定するものでもありませんのでご了承ください。
派遣とはジョブ型の働き方であることを理解する
派遣とは、働き方です。
それも、就業時間・勤務地・仕事内容・時間給を自分自身で選んで仕事を受けるかどうか判断することができる働き方です。特に、職務内容、職務範囲は定まっている、いわゆるジョブ型の働き方です。その性質上、昔は高度な知識や技術を要する専門職種のみに認められていた働き方でした。
ジョブ型の働き方は賃金があがらないことが前提
では、ジョブ型とは何でしょうか?
ジョブ型雇用とは、人材を採用する際に職務内容を明確に定義して雇用契約を結び、労働時間ではなく職務や役割で評価する雇用システムです。
https://www.persol-group.co.jp/service/business/article/405/
ジョブ型雇用は職務で評価するシステムのため、人事異動などで職務が変わることや昇進・昇格の概念はありません。
給与を増やすためには、そのジョブの専門性を追求しスキルを高めるか、ジョブディスクリプション(職務記述書)以上の仕事・成果を出し、より難易度が高い職務に必要なスキル習得や実績を得ることが求められます。
つまり、同じ仕事をし続けていても給与が上がらないのは当然の話となります。
いかがでしょうか?派遣という働き方そのものではないですか?職務が軸のため、同じ企業で何年も働いていたからといって、派遣の仕事内容のままであれば、正社員に登用されるどころか、給与をあげるということすら、なかなか難しいのが派遣というジョブ型の働き方なのです。
これからの時代に求められるのは自律型人材
では、派遣スタッフから正社員になるためには、どうすればよいのでしょうか。
それには、これからの時代に何が求められているのかを知ることが必要です。
結論から言えば、これからの時代には「自律型人材」がより求められるようになります。自律型人材とは、自ら考えて自ら行動でき、自ら成果を生み出すことができる人材のことを指します。
先ほど、同じ業務範囲の職を全うするだけでは正社員になることは難しいと書きました。それは、派遣という働き方に割り振られた仕事だからです。正社員になるには、自律して働くことができる人材であることが前提となります。
自律型人材とは?なぜ求められる?
自律の反対は他律です。他律とは、会社や上司に言われたことをやることを指します。別名、指示待ち人材とか受け身人材と呼ばれるものです。仕事をしているようでも、自分の頭で何も考えていない、指示や判断を仰いでいる状態です。
一方、自律型人材は会社や上司から言われなくても自ら考え、自ら主体的に行動し、自ら成果を生み出すことができる状態です。意外と、自律型人材になれていない人は多いので、あなたが自律型人材であれば、求められる度合いが高くなるでしょう。
背景にある社会・経済環境の変化に対応するという企業課題
いわゆるトップダウンのみによるマネジメントの時代は終わりました。コロナをきっかけに社会・経済環境の変化は一段とスピード感をもって経営者に迫ってきています。もはやトップだけで変化に対応するのが難しくなっている時代なのです。
そのため、一社員も自ら考え、主体的に行動して成果を出す自律型人材が求められるのです。
派遣スタッフから正社員になるため(自律型人材なるため)に必要な3つこと
1.指示待ちではなく、自ら考え、提案し、行動ができるようになる
仕事の中であなたが気付いた「もっとこうすればいいのに・・・」を単なる愚痴で終わらせない。誰かがやってくれないかという他人への期待で終わらせない。本当に実現方法を考えて、上司や指揮命令者へ提案をしてみることに一歩踏み出してみましょう。そうすることで、あなたを見る上司の目が変わります。
2.仕事に対して自分の意志、価値観をもつ
一つひとつの仕事に対して、指示をされたからとか、ずっとこうだったからといった思考停止は終わりにしましょう。あなた自身がその仕事に対してどうしたらいいか、本当に必要か?を問いかけていきましょう。そして、あなた自身の仕事に対する価値観をつくりましょう。
そうすることで、あなたは独自性をもつあなたに変わります。
3.他人の責任にしない
職場の中でうまくいかないことを他人の責任にするのは終わりにしましょう。心の中では思っていても大丈夫です。愚痴や態度に表すことをやめましょう。
例えば、相手に伝えたことが伝わっておらず仕事がうまくいかなかった。そんな場合、相手の責任にするのではなく、自分の伝え方に問題はなかったか?を問いかけましょう。
そうすることで、会社や仕事の様々なことがジブンゴト化され、当事者意識を持って仕事に取り組めるようになります。
まとめ
いま、与えられている仕事を与えられたままこなしていても、それ以上にはなりません。
厳しいことを言えば、派遣スタッフから正社員を目指す場合、あなた自身が変わる必要があります。
ここまでお読みになっていただいて、当たり前だよねと思えた人は自律型人材になっている可能性があるでしょう。
一方で、そこまでできないとか、本当にそうなのか?と思われた方は、派遣の働き方からは変わることができないでしょう。
派遣という働き方を希望する人もたくさんいらっしゃいます。そして希望する方にとって派遣という働き方はよいパフォーマンスを発揮します。
しかし、派遣という働き方を希望せず、やむを得ず派遣で働いている方にとってはネガティブに映る側面もあるでしょう。
お読みになっていただいているあなた自身がどのような生き方をしていきたくて、どのような行動を起こしていくのか。すべてはあなた次第なのです。
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