人生100年時代と呼ばれるようになった現在、一人ひとりがキャリア形成に対して意欲的に取り組むことが必要となっています。
企業の寿命よりも働く人の労働期間が上回るとも言われており、長寿化は人々のライフプランや働き方などに大きな影響を与えています。
そのため、これまで当たり前であったキャリア形成は有効ではなくなりつつあり、人生100年時代の生き方が問われています。
この記事では、人生100年時代におけるキャリア形成の考え方について紹介していきます。
人生100年時代とは
「人生100年時代」とは、長寿化がもたらす働き方や生き方の変化を描いた世界的ベストセラー『LIFE SHIFT』の著者リンダ・グラットン氏が提唱した言葉です。
同書では、先進国で生まれる子どもの二人に一人が100歳以上生きる「人生100年時代」が到来すると言われており、従来の単純なライフステージの進み方ではなく、ステージを組み替えながら異なるライフプランを立てる柔軟な生き方を模索する必要性が述べられています。
人生100年時代の到来は日本も例外ではなく、2017年以降、「人生100年時代構想会議」と題した会議が幾度も行われており、「教育」「仕事」「老後」という従来の3ステージにとらわれない多様な人生設計を行う社会を目指すこととなりました。
人生100年時代の生き方
従来の「教育」「仕事」「老後」という3ステージの生き方を人生100年時代で行うとなると、老後の金銭面の問題を解消するために定年後もフルタイムで働かざるを得ない状況にあります。
しかし、長い年月働き続けることは容易ではありません。
人生100年時代の訪れによって、私たちの今後の生活は、これまでのような同世代全員が似通ったステージを歩む「決まった流れの3ステージ」から、長い人生を通して複数のステージを生きながら変化に柔軟に対応していく「マルチステージ人生」へと移行すること必要だと考えられています。
人生100年時代の働き方・キャリア形成
では、人生100年時代の働き方やキャリア形成には、どのような変化が訪れるのでしょうか。続いては、人生100年時代の働き方やキャリア形成について紹介します。
65歳定年という働き方の概念がなくなる
人生100年時代が叫ばれるようになった現在、すでに年功序列や終身雇用の崩壊が起こっており、一つの企業で定年まで働き続けることは困難を極めています。
また、「老後資金は5,500万円必要?」で紹介させていただいたように、従来では当たり前だった定年後の年金生活も、少子高齢化が深刻化する現代では難しいと言わざるを得ない状況です。
人生100年時代が到来する今後は65歳定年の概念がなくなることが予想されています。
これまで定年と呼ばれていた年齢を過ぎても働き続けることが当たり前の時代になれば、私たちは早い段階から、老後のキャリア形成を考えていく必要があります。
人生100年時代では転職が当たり前になる
人生100年時代では、長寿化によって企業の寿命よりも働く期間の方が長くなると言われています。
産業や組織が加速的に短命化することによって、望まずとも人生において何度も仕事を変える機会が増え、転職が当たり前の時代がやってくることでしょう。
つまり、生涯1つの組織で働いていくキャリアプランは人生100年時代のリスクであるとも考えることができ、多様なフィールドを意識しながら、自らのキャリア形成を考える必要がでてくることが予想されます。
複数のキャリアを並行する
働き方改革の推進やテレワークの普及によって、複数の組織に属して働くダブルワークや副業、週末企業など、複数のキャリアを並行したキャリア形成もしやすい時代になりました。
人生100年時代では、自らの責任でキャリア形成を考える必要がでてくることから、複数のキャリアを並行することでスキルアップを図り、幅広い分野の知識や技術を身につけることで、老後のキャリア形成に備えることも有効な手段だと言えるでしょう。
人生100年時代は資産形成が必須になる
寿命が延びるということは当然、老後に必要なお金も増えるます。
そのため、人生100年時代における問題点としてあげられるのは「老後資金」です。
平均的な収入・支出の状況から、夫65歳以上・妻60歳以上の夫婦のみの無職の世帯では、毎月約5万円の赤字がでると言われており、老後20年で約1,300万円、老後30年では約2,000万円の赤字になるとの試算が出ています。
つまり、今後さらに長寿化が進むことで、公的年金だけで生活費を補うことはますます難しくなり、老後資金を自分で準備しなければならない時代がやってくるということです。
今後、仮に年金がもらえたとしても、今の国の財政では雀の涙程度の額になることが想定されており、私たちは将来に向けてお金を備えておかなければいけません。
また、人生100年時代はマルチステージ人生の幕開けでもあります。
セカンドライフを自分らしく楽しみ、豊かに暮らしていくためも、老後資金の備えは重要になってくるでしょう。
人生100年時代に求められるスキル
人生100年時代という超高齢化社会の中、私たちに求められるスキルは、金融リテラシーを養うことです。
長い人生を自分らしく、豊かに暮らしていくためには、お金と賢く付き合うための知識や判断力を養うことが、これまで以上に重要になってきます。
また、金融リテラシーを身につけることは、世の中の流れや社会の仕組みを理解することにつながるため、これからの自分たちが何をするべきなのかを主体的に考える力が身につき、目標を持って行動することにもつながります。
そして、人生100年時代に限らず、私たちの暮らしは昔に比べて物が豊かになった反面、物価の上昇や賃金の停滞によって、国民の生活は決して潤っているとは言えません。
そのため、ライフイベントごとに必要なお金の問題は、若いうちから考えておく必要があり、金融リテラシーを身につけて、より良い生き方を自分自身で実現するために模索していかなければいけないのです。
人生100年時代を賢く生きるために!お金の勉強をはじめよう
将来を見通してより豊かな生き方を実現するために行動する力を養えるお金の勉強は、人生100年時代を賢く生きていくためにも必要不可欠です。
社会人からはじめるお金勉強方法はこちらの記事でも紹介していますので、参考にしてみてください。
まとめ
人生100年時代への突入によって、従来のようなキャリア形成は有効ではなくなってきています。
移り変わりの激しい社会情勢の中で、自分の生活を守っていくためには、新たなキャリア形成をする必要があるでしょう。
また、お金のことを勉強して資産形成をはじめることは安心できる生活に影響していきます。
人生100年時代のキャリア、生き方の不安を安心に変えるためにも、お金の勉強をはじめてみませんか。